栄養精神医学
Online ISSN : 2760-3539
Print ISSN : 2760-3520
症例報告
⽉経前症候群に伴う抑うつ状態と情動不安定が栄養精神医学的介⼊で改善した20歳代⼥性の⼀例
⼩倉 直⼦
著者情報
ジャーナル 認証あり

2026 年 2 巻 1 号 p. 444-449

詳細
抄録

[背景]⽉経前症候群(PMS)は抑うつ状態や情動不安定を⽣じやすく、⾷習慣や栄養素不⾜が増悪因⼦となる。栄養精神医学ではタンパク質・鉄・ビタミンB 群・⾎糖調整が情動安定に寄与するとされる。

[症例]28 歳⼥性。希死念慮、抑うつ状態に加え、PMS 期の易怒性・感情失禁・過⾷衝動、倦怠感、起床困難を呈し、初診時AST 13 U/L、ALT 11 U/L、BUN 13 mg/dL と代謝低下傾向を⽰した。X 年9 ⽉から朝⾷を⽩湯・⾖乳で開始し、卵・納⾖・⿂などのタンパク質を毎⾷へ導⼊。⼣⾷の糖質単独摂取を中⽌し、ヘム鉄(10 mg×3/⽇)を投与開始した。X 年10 ⽉に抑うつ状態と易怒性が明らかに軽減。X 年11 ⽉にビタミンB 群を分割投与した。X 年12 ⽉から便秘悪化を受けて野菜量を増やし、⼩⻨・乳製品を制限。X+1 年1 ⽉よりビタミンD・C・E・DHA を追加し腸内環境が改善。3 か⽉で感情失禁・過⾷衝動・起床困難が⼤幅に改善し、X+1 年2 ⽉に希死念慮と⽉経前不調が消失した。

[結論]段階的な⾷事再構築と微量栄養素補充によりPMS 関連症状が改善し、栄養精神医学的介⼊の有⽤性が⽰された。

著者関連情報
© 2026 日本栄養精神医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top