2026 年 2 巻 1 号 p. 463-467
[背景]⼝腔顔⾯痛の病態には疼痛調節機構と栄養状態が相互に影響することが知られており、栄養精神医学的視点からの評価が重要とされる。
[症例]40 歳代⼥性。顎変形症⼿術後に外傷性三叉神経障害性疼痛および特発性⼝腔顔⾯痛を呈し、うつ病と⾷欲低下を併存していた。初期にはメコバラミン1500μg/⽇に加えて、神経障害性疼痛の治療および中枢性オキシトシン増加の可能性も考慮して、⼗全⼤補湯・桂枝加苓朮附湯・⽴効散(⼗味剉散の⽅意)を投与し、疼痛、知覚異常は改善が認められた。しかし、疼痛が再燃。AST 17 U/L、ALT 12 U/L、総タンパク 6.6 g/dL、BUN 6.0 mg/dL、総コレステロール 144 mg/dL、Hb 11.8 g/dL を⽰し、⾁類・野菜摂取の著しい不⾜が判明したため、タンパク質、ビタミンB 群、ビタミンC、マグネシウム、亜鉛の補給を中⼼とした栄養指導を併⽤。その結果、疼痛VAS は70 から19 に改善し、体重も41kg から43.2kg まで増加した。
[結論]痛覚変調性疼痛を伴う症例では、漢⽅治療に加え栄養状態の適切な評価および栄養介⼊を併⽤することが有⽤と考えられる。