大分県理学療法学
Online ISSN : 2434-5431
Print ISSN : 1349-4783
ボツリヌス治療併用で粗大運動能力が向上した 成長期の脳性麻痺児
~5年間の経過~
羽田野 麻里久保田 珠美那須 賢一長谷部 直子戸澤 興治
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2025 年 18 巻 p. 39-47

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抄録
【目 的】 7~11歳の5年間,反復したBoNT-A治療,週1回60分の理学療法,自宅で立位保持装置での持続的な筋の伸張を行った脳性麻痺児の粗大運動能力の変化を報告する. 【対 象】 痙直型両麻痺,GMFCSレベルⅡの女児1名. 【方 法】 BoNT-A治療前後の関節可動域,筋緊張,筋力,身長と体重を評価し,立位·歩行姿勢分析,GMFM-88,GMFM-66を行った. 【結 果】 BoNT-A治療前後でPA·DKF·DKEは維持.膝関節伸展は10歳以降に制限が強まった.筋緊張は前後で改善.筋力は体幹·下肢共に向上.5年間で身長30cm,体重13.8kg増加.立位姿勢はクラウチング肢位が改善し支持基底面が減少.AFOなしでの独歩,手すりを使用した一足一段の階段昇降が可能となった.粗大運動能力は,総合点がGMFM-88は16.9,GMFM-66は17.9向上し,発達曲線上7歳時点で予測された運動能力よりも高い能力を示した. 【結 語】 反復したBoNT-A治療に加え,抗重力筋の筋力強化や抗重力伸展活動を促す活動,立位保持装置等の介入は,粗大運動能力向上の一助となる.
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2025 公益社団法人 大分県理学療法士協会
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