抄録
【目的】発達障害のある児童では, 視覚関連の機能低下があり, 学習や運動などに問題を示すことがある. 本研究では, 学童期用視覚関連症状チェックリスト (以下VSPCL) の構成を試みた. 【方法】視覚系に機能低下を認め, 視覚関連の症状を示す児115名と定型発達児859名の保護者を対象に, VSPCLを用いた質問紙調査を行った. 【結果】因子分析と判別分析の結果, 39項目が選定され, 4つの下位尺度に分かれた (α=0.715~α=0.924). 弁別力についてROC解析を行った結果, 各下位尺度とも高い感度 (81.3%~93.5%) と特異度 (79.1%~91.8%) が確認された. 【結論】発達障害児の視覚関連症状に対するVSPCLの有用性が示された.