脳と発達
Online ISSN : 1884-7668
Print ISSN : 0029-0831
ISSN-L : 0029-0831
原著論文
女児Asperger障害の臨床的特徴
山内 裕子宮尾 益知奥山 眞紀子井田 博幸
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 45 巻 5 号 p. 366-370

詳細
抄録

 【目的】Asperger障害の女児の臨床的特徴を男女で比較検討し, 診断上の注意点を明らかにする. 【方法】初診年齢, 初診理由となったおもな症状, 受診前の状況, WISC-IIIの結果をカルテより後方視的に比較検討した. 【結果】男児と比べ, 女児は10~15歳の受診が多く, 初診年齢が思春期に集中していた. 女児では睡眠リズム障害や心身症, 適応障害の合併が多かった. また, 女児のWISC-IIIでは動作性下位項目の内差が顕著でなく, 算数や積木下位項目が高値の男児とは異なる認知パターンが示唆された. 【結論】Asperger障害の臨床像には性差があり, 診断や対応にあたり, 性差を考慮する必要があると考えられた.

著者関連情報
© 2013 一般社団法人日本小児神経学会
前の記事 次の記事
feedback
Top