脳と発達
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原著論文
患者の語りを直接聞くことは,医療従事者のアドバンス・ケア・プランニングに対する理解を深める
野崎 章仁吉田 真衣森 篤志寺﨑 英佑柴田 実
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2023 年 55 巻 6 号 p. 421-426

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抄録

 【目的】患者から直接語りを聞くことで,医療従事者のアドバンス・ケア・プランニング(advance care planning;ACP)に対する理解が深まるか調査した.【方法】ACPを行っている患者が,医療従事者へACPに対する本人の意見を講演した.その後,聴講した50名に質問紙調査を行った.【結果】50名中39名(78%)が回答した.「ACPの言葉を知っている」は37名(95%)であった.「患者から直接語りを聞くことで,ACPの理解が深まる」は34名(87%)であった.ACPの理解を深めるために「医療従事者から話を聞く」,「患者自身から話を聞く」および「医療従事者と患者自身の両方から話を聞く」がそれぞれ0名(0%),16名(41%)および17名(44%)であった.また,「自身の人生でACPが必要」は38名(97%)であった.【結論】本調査から,患者の語りを直接聞く事は医療従事者のACPの理解を深めることが示唆された.患者の語りを直接聞く機会は,患者と医療従事者の共同を育み,よりよいACPへつながる.

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© 2023 一般社団法人日本小児神経学会
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