1984 年 16 巻 1 号 p. 27-31
Sodium valproate (VPA) 単独服用中の患児28例についてVPA血中濃度測定と同時に血小板数, 血小板機能を調べ, うち15例に機能異常を認めた. 2, 血餅収縮能は, 24例中2例, 血小板粘着能は28例中3例に低下がみられ, 血小板凝集能では, リストセチン凝集で26例中6例, コラーゲン凝集28例中9例, ADP凝集で28例中15例に低下がみられた. また, 機能障害とVPA血中濃度との問には相関はみられなかった .3. 誤ってVPAを大量服用した症例で, 服用直後, 著明な機能障害がみられ, 40日後の再検査にて正常にもどっていた. 4. 臨床症状がみられたものは, 抜歯後の止血困難1例, 頻回の鼻出血1例の2例のみであった.