抄録
Cockayne症候群の4症例の皮膚生検から得られた, 培養皮膚線維芽細胞の紫外線 (U V) およびX線感受性を検索した. 4症例ともSugarmanのmajor criteriaを総て満たしていた. 1例は典型的顔貌を有していなかったが, これを含め全例ともコロニー形成能はUV高感受性であった. X線感受性では3例は正常対照の範囲であり, 1例がX線高感受性のataxia-telangiectasiaと正常対照との中間の感受性を示した. 不定期DNA合成 (UDS) および修復合成は正常対照と差を認めず, 細胞内総DNAおよびRNA合成では, UV照射6時間後に正常対照に比し低下していた. UV照射後の核酸合成の検索は短時間に容易にでき, 今後典型例に加え非典型例にも汎用すべきと考えられた.