抄録
我々は睡眠中に高度の呼吸不全を呈した7歳女児のネマリンミオパチー例を経験した. 本児は5歳前後から呼吸器系の易感染性と感染時の呼吸不全のため, 気管内挿管による呼吸管理を必要として, 入院をくりかえしていたが, 7歳すぎから, 非感染時にも睡眠中に換気不全が出現し, 日常的に人工呼吸器を必要とする状態になった. この例に対し, 米国で市販されている陰圧型人工呼吸器 (Emerson社ChestRespirator) を使用したところ, 換気不全の著明な改善が得られ, 自宅療養が可能となった. 現在, 患児は自宅で夜間のみ同呼吸器を使用し, 日中は元気に普通学級に通学している.