抄録
乳幼児の発達の評価および予測が誘発電位で可能か否かを検討した. 対象は痙攣等を主訴とした2歳未満の乳幼児145名 (男子85名, 女子60名, 平均月齢8カ月) で, 聴性脳幹反応, 視覚誘発電位, 正中ないし後脛骨神経刺激の体性感覚誘発電位を施行し, 正常と異常に評価した. 患児の発達を, 検査時, 検査後6~12カ月, 12カ月以上後の3つの時点で, 田中・ビネー (IQ), 遠城寺式 (DQ) にしたがい, 正常域と発達遅滞に分類した. 初回の誘発電位の結果と, 3つの時点での発達との相関を, X2-検定によって検討した. その結果, 正中ないし後脛骨神経刺激の体性感覚誘発電位では, 乳幼児の発達のおおまかな予測も可能と考えられた.