脳と発達
Online ISSN : 1884-7668
Print ISSN : 0029-0831
ISSN-L : 0029-0831
視性誘発電位
大久保 修
著者情報
ジャーナル フリー

1989 年 21 巻 2 号 p. 115-120

詳細
抄録

成人では一般にPattern-reversal VEPが使われるが, 小児ではFlash VEPを検討せざるを得ない-今までの研究より, 急性片麻痺では振幅増大や潜時の延長がみられた.West症候群では, 約45%が異常であり, 特に波形の異常が多い.症候性でVEPが異常であれば予後が悪い.新生児仮死, 呼吸窮迫症候群, 精神発達遅滞では潜時の延長, 低カルシウム血症, 低血糖症では潜時の短縮, 自閉症とてんかんでは潜時の短縮や延長がみられた.また, 後放電の臨床応用として, 脳炎では予後がよければ, 年齢相当の周波数までもどる.片麻痺症例では, 左右差がみられることが多く, この場合spindleの左右差がみられた.P-VEPでは, 脳炎で潜時延長を示すことが多かった.

著者関連情報
© 日本小児小児神経学会
前の記事 次の記事
feedback
Top