1989 年 21 巻 4 号 p. 340-347
二つの二次元脳電図間の有意差検定法のシステムを開発する事を目的として, 正常健康6歳小児と8歳小児のそれぞれ4名ずつを対象とし, 覚醒脳波を12カ所より単極導出, 磁気記録し, 10秒間の脳波を1区間として1名当たり4区間ずつ連続して選び, 1区間あたりサンプリング間隔20msec, 512個のデジタル量に変換し, えられた時系列に自己回帰・要素波解析を施し, α1波のパワーを求め, ついで既報 (小川, 1984) のプログラムを施し, α1波の二次元脳電図を得, その平均パターンを描記するシステムを開発した.ついで, 二つの二次元脳電図平均パターン間の有意差部位を等高線で描記するシステムを開発した.その結果, 6歳と8歳を比較すると1%の危険率で左右, 特に右頭頂部に有意差のある領野を図示する事ができた.