オレオサイエンス
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特集総説
植物ステロール/スタノールによるコレステロールの吸収抑制機構に関する研究
松岡 圭介
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2011 年 11 巻 4 号 p. 119-125

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抄録
植物ステロール/スタノールは腸内でコレステロールの吸収を妨げることによって血液中のコレステロール値を低下させることができる。そのコレステロール低下機構の一つは胆汁酸塩ミセルへのコレステロールとステロール/スタノールの競争的可溶化が主な原因であると推測されいてる。筆者はそのコレステロール低下機構をより明らかにするために, 多環芳香族化合物, 長鎖のアルキルベンゼン, ステロール/スタノール種を含む化合物の分子を用いて, 単純系 (胆汁酸塩一コレステロールー競争的化合物) での可溶化に関する実験を行った。その競争的可溶化の結果はコレスタノールが最もコレステロールの低下効果を表した。一方, 植物ステロールのブラシカステロール, スティグマステロールはコレステロールとの混合系において, コレステロールの溶解度を低下させる効果は小さかった。熱力学的解析より, コレステロール値を低下させたステロール/スタノール類の可溶化に関する△G°はコレステロールの△G°より負の値を示すことが分かった。被可溶化物の動的挙動と胆汁酸塩ミセル中での可溶化位置を1H-NMRを用いて研究した。これらの結果より, 芳香族化合物は胆汁酸塩の19メチル水素と相互作用し, ミセルのパリセード層に可溶化される可能性が高い。一方, ステロール類はステロイド環同士の相互作用を通して胆汁酸塩ミセルに適合して可溶化されることが分かった。
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© 2011 公益社団法人 日本油化学会
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