オレオサイエンス
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特集序言
特集総説論文
  • 栗田 玲
    2024 年 24 巻 6 号 p. 243-248
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/06/06
    ジャーナル フリー

    泡沫は少量の液体中に多くの気泡が詰まっている状態のことをいう。この状態の形成に,界面活性剤を利用することが多いため,界面活性剤の種類による泡沫の評価が多くされている。しかしながら,泡沫は状態の1つであり,界面活性剤によらない物理的性質も多く有している。本記事では,表面張力や液膜安定性,脱泡剤の仕組みなどのシャボン膜の基礎から始まり,浸透圧や弾性などの泡沫の物理的性質の基礎について解説する。最近の研究として,泡沫の基板への塗り広げについて解説する。

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  • 矢田 詩歩, 吉村 倫一
    2024 年 24 巻 6 号 p. 249-253
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/06/06
    ジャーナル フリー

    中性子小角散乱(SANS)は,時々刻々と変化する泡沫の構造を調べるのに有効な手法である。近年,筆者らは,SANSを中心にさまざまな測定方法を組み合わせることで,界面活性剤が形成する泡沫の膜厚や水量など,泡膜内部の情報を一度に定量的に得ることに成功した。本稿では,SANSを用いた各種界面活性剤によって安定化された泡沫のミクロ構造評価について紹介する。

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  • 松原 弘樹
    2024 年 24 巻 6 号 p. 255-260
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/06/06
    ジャーナル フリー

    この総説では,(1)陽イオン界面活性剤と直鎖アルカンの混合吸着膜の相転移が泡膜の分離圧に与える影響1,2)と,(2)イオン性界面活性剤,非イオン界面活性剤の混合泡膜の安定性と吸着膜組成の相関3,4)について解説する。(1)の実験では,混合吸着膜の液体-固体転移にともない,面内での流動性が低下した陽イオン界面活性剤への対イオン吸着が促進され,不連続な膜厚転移が起こることが示される。実験(2)では,イオン性界面活性剤と非イオン界面活性剤の組み合わせを変えて泡膜の安定性を比較する。ほとんどの場合,非イオン性界面活性剤の膜組成が70-80%を超えると,電気二重層斥力が低下して短時間で泡膜が破泡する挙動が観察されるが,吸着膜内での界面活性剤間の相互作用が大きい場合には,溶液組成に依らず膜組成がほぼ一定となり,高い膜電荷が維持されることで泡膜の安定性を大きく向上させることができる。総説の最後には,我々が最近取り組んでいる臨界ミセル濃度より高い濃度条件で,熱力学的に膜組成を評価する方法と,洗浄のように希釈過程で連続的に膜組成が変化する状況への応用について紹介する。

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  • 渡村 友昭, 杉山 和靖
    2024 年 24 巻 6 号 p. 261-268
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/06/06
    ジャーナル フリー

    本稿はギネスビールの気泡が模様を作る力学を紹介する。気泡は静止液体中で浮上する。これはアルキメデスの原理で説明する浮力のためである。しかし,コップに注がれたギネスビールを観察すると,気泡が下に動くことが分かる。同時に,気泡が粗密の分布を作る。この不思議な流動は,複数の流体力学的な条件が同時に満たされることで発現する。単一気泡の運動方程式,気泡の重力分離に伴う重力流の不安定,気泡分離の明瞭さを表す指標を紹介し,ギネスビールの泡のみが模様を作る理由,逆説的に言えば,炭酸水などで気泡が模様を作る条件を説明する。

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