オレオサイエンス
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特集序言
特集総説論文
  • 山脇 有希子, 藤井 亮輔
    2026 年26 巻4 号 p. 145-151
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/04/02
    ジャーナル フリー

    機能性展着剤(アジュバント)は,気候変動,農業労働力不足,スマート農業の進展といった農業環境の変化の中で,農薬効果を安定化・向上させる重要な役割を担っている。本稿では,高濡れアジュバントおよびドローン散布用アジュバントの開発とその性能について紹介する。高濡れアジュバントは,植物由来のポリオキシエチレン脂肪酸エステルを有効成分とし,液体の表面張力と固液界面の界面張力の双方を制御する設計思想に基づいて開発された。その結果,撥水性の高い作物表面に対して優れた濡れ広がり性を示すとともに,病原菌や害虫体への浸透性が向上し,殺菌剤・殺虫剤の効果安定化を確認した。一方,ドローン散布用アジュバントは,液滴表面に形成される界面膜による蒸発抑制を特徴とし,ドリフト低減および被覆率向上を実現した。これにより,少水量・高濃度・高高度の農薬散布条件下でも高い防除効果が得られ,減農薬散布への貢献が示唆された。これらの結果は,界面精密制御に基づく機能性展着剤が,次世代農業における持続可能な病害虫防除技術として有効であることを示している。

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  • 澤田 寛子, 福嶌 陽
    2026 年26 巻4 号 p. 153-159
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/04/02
    ジャーナル フリー

    日本のコメ生産は,高齢化や担い手不足に加え,温暖化の進行による生育環境の変化など,複合的な課題に直面している。とくに近年は,登熟期の高温による玄米外観品質の低下や,生産コストおよび環境負荷の低減要請が顕在化しており,従来の経験依存型栽培体系からの転換が求められている。本総説では,次世代のコメ生産技術を①気候変動適応型品種開発,②スマート生産・省力化技術,③環境調和型生産の三つの視点から整理し,主に農研機構中日本農業研究センターで得られた研究成果を中心に概説した。高温条件下でも外観品質と多収性を両立する品種「にじのきらめき」の特性と品質安定化機構を紹介するとともに,乾田直播栽培に対応した発育予測モデルの高度化や,UAVおよび携帯型分光器を用いたセンシングによる追肥診断技術について述べた。さらに,減肥栽培に適した多収品種の活用や,水田からのメタン排出低減に向けた栽培技術についても整理した。これらの知見は,育種・スマート生産・環境調和を統合的に活用することの重要性を示しており,今後の適応的なコメ生産体系の構築に資するものと考えられる。

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