オレオサイエンス
Online ISSN : 2187-3461
Print ISSN : 1345-8949
ISSN-L : 1345-8949
最新号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
特集序言
特集総説論文
  • 新田 陽子
    2026 年26 巻6 号 p. 235-242
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/06/02
    ジャーナル フリー

    シイタケ(Lentinula edodes)の食用廃棄部分から抽出したβ-グルカンのレンチナンによって形成されるハイドロゲルについて,動的粘弾性測定を用いて真のゲルであるかどうかを調べた。さらに,ゲル化に伴うレンチナンの構造変化をNMRを用いて解析した。動的粘弾性測定の結果から,レンチナンは冷却中に6℃付近で構造変化を起こし,6℃以下で真のゲルが形成されることが示唆された。このゲルは,我々が以前報告したスクレログルカン(β-(1,6)-分岐β-(1,3)-グルカン)およびハナビラタケ由来β-グルカンのハイドロゲルと類似していた。NMR結果から,本研究のレンチナンは主鎖のグルコース単位5つごとに2つのβ-(1→6)-結合グルコース側鎖を有すると推定された。NOESY測定結果は側鎖の配向変化を示唆しており,側鎖の立体障害が減少した三重らせんの部分的な会合によってゲルが形成されたと考えられた。

    graphical abstract Fullsize Image
  • 松宮 健太郎
    2026 年26 巻6 号 p. 243-252
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/06/02
    ジャーナル フリー

    本総説では,脂肪含量の調整から焦点を移し,ハイドロコロイドを用いた油滴の界面特性および空間分布の設計により,食品のテクスチャーと口当たりを制御するための理論的枠組みを提示する。本論文では,マクロおよびミクロレベルの構造設計という2つの階層的アプローチについて述べる。マクロレベルでは,エマルション充填ゲルを用いてバルクの力学特性を制御する。適切な乳化剤を選択することで,油滴はActive Filler(活性充填材)またはPassive Filler(不活性充填材)として機能し,食品マトリクスの弾性,咀嚼性,および破断挙動に影響を及ぼす。ミクロレベルでは,柔軟な多糖類ミクロゲルによって安定化された油滴を用いて,口腔内トライボロジー挙動を制御する。これらのミクロゲルは酵素応答性を示し,咀嚼中に唾液アミラーゼによって分解されることで油脂の緩やかな放出が誘起され,時間とともに滑らかさおよびクリーミーさの知覚に寄与する。最後に,本総説ではこれら2つのアプローチを統合した「入れ子構造」を提案する。この階層的設計により,バルク弾性と界面潤滑を独立に制御することが可能となり,脂肪含量のみに依存することなく,脂肪に関連する望ましい官能特性を向上させるための戦略を提供する。

    graphical abstract Fullsize Image
研究室紹介
feedback
Top