オレオサイエンス
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特集序言
特集総説論文
  • 荒井 規允
    2025 年 25 巻 7 号 p. 285-289
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/07/04
    ジャーナル フリー

    界面活性剤はソフトマターの一種として,分子設計の自由度が高く,自己集合構造や物性に多様性を示す。しかし,それゆえ材料内部の挙動は複雑であり,その潜在能力を十分に引き出すのは容易ではない。本研究では,界面活性剤水溶液の構造と機能を予測するために,分子シミュレーションと機械学習を活用した研究例を紹介する。まず,散逸粒子動力学法を用いて200種以上のクレンジング剤処方に対する自己集合構造を再現・解析した。次に,分子記述子を特徴量とした機械学習モデルを構築し,高精度な洗浄性能予測を実現した。さらに,分子の化学構造から自己集合構造を予測する深層学習モデルを構築し,機能性界面活性剤の効率的な設計手法としての有効性を示した。

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  • 牛田 晃臣
    2025 年 25 巻 7 号 p. 291-298
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/07/04
    ジャーナル フリー

    ファインバブルによる洗浄技術は多くの分野に波及する技術の一つである。本稿では,洗顔のモデル実験として,人工皮膚への油性付着汚れを対象としたマイクロバブルを分散させた洗浄液による流水洗浄を行い,流水洗浄中の被洗浄物にせん断を印加し,マイクロバブル分散液と機械的作用の組み合わせによる洗浄実験を行った。これより,非イオン系界面活性剤水溶液を使用した場合,洗浄時間の増加により,マイクロバブル分散の効果が発現すること,臨界ミセル濃度以上・以下の三種類の界面活性剤濃度において,マイクロバブル分散の効果が発現すること,比較的高温条件の場合,マイクロバブル分散の効果が発現しないこと,を明らかにした。

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  • 守屋 優香
    2025 年 25 巻 7 号 p. 299-304
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/07/04
    ジャーナル フリー

    微生物に対する漠然とした不安や恐怖は,抗菌剤や消毒剤の過剰使用につながり,家庭内の微生物群のバランスが崩れることで,様々な健康問題が助長されることが報告されている。そこで,有益な微生物を洗浄に活用することで,微生物が有機汚れを分解する酵素を分泌し,家庭内のナチュラルな微生物群を維持しながら洗浄効果を得ることができる。また,芽胞形成菌を用いることで,幅広い洗浄組成への安定な配合が可能となる上,洗浄効果が長期にわたって持続し,掃除の頻度と労力を減らすことが期待される。本稿では,微生物を活用した洗浄の仕組みと利点をいくつかの実験結果を用いて紹介し,その安全性と市場での受け入れ性についても取り上げる。

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