オレオサイエンス
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特集序言
特集総説論文
  • 峯 真也
    2026 年26 巻3 号 p. 93-100
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/03/05
    ジャーナル フリー

    触媒は,資源循環,地球温暖化抑制,環境浄化をはじめとする社会課題解決の基盤技術である。データ科学に立脚した研究手法,とくに機械学習(Machine Learning:ML)は,触媒開発を加速化するアプローチとして有望視されているが,MLにより新規触媒開発に成功した事例は殆どない。新規触媒は通常,既存のデータセットの枠内ではいわゆる「外れ値」にあたるが,従来型のMLモデルでは「外れ値」を外挿予測できないためである。本稿ではまず,外挿予測を可能とする先進的なML手法を採用することでこの限界に取り組む筆者らのアプローチを解説する。さらに,ML予測と実験検討を繰り返す「Closed-loop型」探索により,CO2/H2混合ガスからCOを合成する逆水性ガスシフト(RWGS)反応に有効な新規多元素触媒を開発した事例について紹介する。筆者らのアプローチは,触媒開発にとどまらず,様々な材料開発研究を加速化する可能性を秘めている。

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  • 中山 超, 榊原 圭太
    2026 年26 巻3 号 p. 101-106
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/03/05
    ジャーナル フリー

    セルロースナノファイバー(CNF)は形態分布の多様性が大きく,平均量のみでは複合材料物性を十分に説明できない。とくに機械解繊CNFでは,粗大画分と微細画分の混在が物性ばらつきの要因となる。本稿では,透過光沈降プロファイリングと機械学習を組み合わせ,沈降挙動から比表面積(SSA)および形態分布情報を非破壊・迅速に推定するデータ駆動型解析手法を概説する。沈降プロファイルを速度指標および時空間ヒートマップとして表現し,勾配ブースティング回帰や畳み込みニューラルネットワークによりSSAを高精度に予測した。さらに沈降ヒートマップを用いてアスペクト比分布を推定し,粗大/微細画分に区分した形態指標とIRスペクトル由来の化学情報を統合することで,ポリプロピレン(PP)/CNF複合材料の衝撃特性を定量的に説明可能であることを示した。本アプローチは,形態分布を扱う複合材料設計を可能にするとともに,品質管理やプロセス開発に資するマテリアルDX基盤として有効である。

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  • 新澤 英之
    2026 年26 巻3 号 p. 107-113
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/03/05
    ジャーナル フリー

    本稿ではデータインフォマティクスのアプリ「PCA ToolBox」を使った赤外スペクトルの解析事例を紹介する。PCA ToolBoxはデータインフォマティクス用にデザインされたアプリであり,その大きな特徴はマウス操作だけでデータの主成分分析を行うことができ,ユーザーはコマンドを入力せずに簡単にデータ解析ができることにある。さらにはデータの前処理の結果がプレビュー表示される等,解析をサポートする様々な視覚化機能を備えている。このため専門的な知識がなくとも解析が行える。PCA ToolBoxを使った化学データの分析の一例としてオレイン酸/エタノールの混合溶液の濃度変化を測定した赤外スペクトルを分析した事例を示す。

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総説
  • 高橋 典子, 今井 正彦
    2026 年26 巻3 号 p. 115-123
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/03/05
    ジャーナル フリー

    ビタミンAは,生体内の様々な組織で多岐にわたる役割を担う健康維持に不可欠で重要な栄養素(予防剤)である。また,活性型ビタミンAであるレチノイン酸(RA)は,急性前骨髄球性白血病患者に対する治療薬(抗がん剤)として現在臨床で使用されている。近年,ビタミンAの皮膚への作用が脚光を浴び注目が集まっている。そこで本稿では,ビタミンAの皮膚科学について,1)ビタミンAの生体内循環,2)ビタミンAの種類と皮膚以外の組織への作用,3)ビタミンAの皮膚への作用とそのメカニズム,4)β-カロテンとアトピー性皮膚炎,5)ビタミンA欠乏状態のI型糖尿病マウスの皮膚,6)RA誘導体から開発したp-アミノフェノール(p-DDAP, p-DAP)の皮膚改善作用の内容を紹介する。皮膚の健康維持に万能なビタミンAから予防薬・治療薬の開発を行い,健常人や患者のQOLの向上に寄与できる研究を目指す。

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