オレオサイエンス
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特集序言
特集総説論文
  • 飯田 泰浩
    2026 年26 巻10 号 p. 379-388
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/08
    ジャーナル フリー

    マーガリン,ファットスプレッドおよびショートニングは,その原料として水素添加油脂を使用されてきた経緯からトランス脂肪酸を多く含む食品として知られてきた。トランス脂肪酸の健康への影響の懸念に伴い,これら製品中のトランス脂肪酸含有量は主原料として使用される植物油脂と同程度まで削減されてきた。本稿では,日本国内で製造された製品中のトランス脂肪酸含有量の推移を紹介する。また,食品中のトランス脂肪酸含有量はガスクロマトグラフィー(GC)によって分析されることが一般的であるが,妥当な分析値を得るためには適切な前処理,GC条件の選択,得られたピークの同定が必要となる。これらに関して有用と思われるテクニックを概説する。

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  • 吉永 和明
    2026 年26 巻10 号 p. 389-396
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/08
    ジャーナル フリー

    ガスクロマトグラフィー(GC)による脂肪酸組成分析は,食用油脂の品質評価や研究開発に広く用いられている。本稿では,筆者らが参画した合同試験を中心に,短鎖脂肪酸分析と代替キャリアガスを用いた脂肪酸組成分析について概説する。短鎖脂肪酸分析では,プロピルエステル化により揮発性短鎖脂肪酸の損失を抑制できることを示した。また,水素および窒素を代替キャリアガスとして評価した結果,適切な分析条件下ではヘリウムと同等の脂肪酸組成値が得られた。さらに,これらの成果を基に,GCによる脂肪酸組成分析の現状と基準油脂分析試験法への展開について述べる。

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  • 永井 利治
    2026 年26 巻10 号 p. 397-402
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/10/08
    ジャーナル フリー

    トリアシルグリセロール(TAG)は食用油脂の主成分であり,その物性,栄養特性および代謝挙動は脂肪酸組成だけでなく,グリセロール骨格上の結合位置にも大きく依存する。従来,GCや逆相HPLCはTAG分子種分析に広く利用されてきたが,位置異性体や鏡像異性体に関する情報を得ることは困難であった。筆者らは2011年に,多糖誘導体系キラル固定相(CHIRALCEL OD-RHカラム)を用いたキラルリサイクルHPLC法を開発し,食用油脂に含まれる長鎖脂肪酸から構成されるTAG鏡像異性体の直接分離を初めて達成した。その後,本手法はパーム油,乳脂肪,海洋脂質および卵黄脂質へ応用され,天然油脂における特徴的な位置異性体および鏡像異性体組成が明らかとなった。その後,CHIRALPAK IF-3カラムの導入により,リサイクル操作を必要とせずに位置異性体と鏡像異性体を同時分離できるようになり,TAG異性体分析の適用範囲は大きく拡大した。近年は,チェコおよびフィンランドの研究グループによる体系的な研究も実施されるようになり,TAG鏡像異性体の分離挙動に関する理解も大きく進展した。本総説では,TAG異性体分析の歴史を概説するとともに,2011年以降のキラルHPLCによるTAG鏡像異性体分析の進歩,天然油脂への応用および今後の展望について解説する。

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