オレオサイエンス
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特集総説論文
脂質膜の高圧環境適応
玉井 伸岳後藤 優樹松木 均
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2026 年 26 巻 2 号 p. 43-53

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抄録

生体分子の圧力感受性と構成単位の多様性との相関性は,生物の環境適応には生体膜脂質が大きな役割を果たしていることを明示する。典型的な生体膜脂質であるリン脂質が形成する二重膜は,様々な外的環境因子に応答して相転移を起こし,その膜状態を変化させることから,リン脂質二重膜の環境適応は,二重膜相転移に関して構築された熱力学的相図により特徴づけられる。リン脂質は,その分子中における官能基(モジュール)部分の構造変化により多種存在するが,基準脂質を選択し,その相図に基づき,分子構造が変化した他のリン脂質のものと比較を行うことで,各リン脂質の分子構造とその二重膜の環境適応の関係を系統的に明らかにできる。本稿では,リン脂質分子へ種々のモジュール構造変化(疎水鎖,鎖結合様式,極性頭部)を導入することにより,高圧力下において見出されるリン脂質二重膜の相変化,すなわち高圧環境適応について説明する。

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