音声研究
Online ISSN : 2189-5961
Print ISSN : 1342-8675
研究ノート
英語の文強勢知覚における持続時間の役割 : 日本人英語学習者と米語母語話者の比較
大深 悦子森 庸子ギルバート ジョアン E.桐谷 滋
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 13 巻 3 号 p. 90-100

詳細
抄録
米語話者と日本人英語学習者が,英語の文強勢知覚の手掛りとして,持続時間をどのように用いるかを調べる聴取実験を行った。男性米語話者がノーマル・ストレスで発話した"they thought about the report"をもとに,(A)'they'の持続時間と,(B)"they thought"におけるF0曲線('they'を'thought'より高くするか,低くするか)を加工した音刺激を,米語話者と日本人英語学習者に聞いてもらい,どの語に第一文強勢を知覚したかを調べた。実験の結果は,日米の被験者ともに,'they'の持続時間が同じであれば,'they'が'thought'より高い音刺激に,文強勢を知覚する率が高かった。しかし,'they'に文強勢を知覚するのに必要な持続時間は,日本人被験者の方が,米国人被験者より,長い傾向にあることがわかった。
著者関連情報
© 2009 日本音声学会
前の記事 次の記事
feedback
Top