音声研究
Online ISSN : 2189-5961
Print ISSN : 1342-8675
13 巻 , 3 号
選択された号の論文の59件中1~50を表示しています
表紙
追悼文 小泉 保先生追悼文
特集「リズムとタイミング」
  • 田嶋 圭一
    原稿種別: 本文
    2009 年 13 巻 3 号 p. 4-6
    発行日: 2009/12/30
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー
  • カミンズ フレッド, シムコ ユライ
    原稿種別: 本文
    2009 年 13 巻 3 号 p. 7-18
    発行日: 2009/12/30
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー
    音声をはじめとする複雑な運動行動を理解するためには,その行動を構成する個々の運動の相対的なタイミングを把握する必要がある。そのような複雑な協調運動(coordination)の記述には,力学系(dynamical systems theory)が提供する概念や道具立てが適している。中でも「位相」(phase)の概念は,事象の相対的タイミングを表すのに中心的な役割を果たす。本稿では,位相が協調運動を捉えるのに有用であることを,音節や句の反復発話,手の運動,複数の話者が発話をシンクロナイズさせる同期発話,調音音声合成など,様々な具体例を用いて例証する。さらに,周期的・等時的な運動だけでなく,非周期的・非等時的な協調運動についても位相の概念を適用できることを示す。これにより,一話者内の運動の相対的タイミングだけでなく,複数の話者による運動の相対的タイミングも,協調運動に関する同一の枠組みで捉えることが可能となる。
  • 馬塚 れい子
    原稿種別: 本文
    2009 年 13 巻 3 号 p. 19-32
    発行日: 2009/12/30
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー
    In the Rhythm-based Prosodic Bootstrapping Hypothesis, it is proposed that infants' early sensitivity to the rhythmic properties of a language will enable them to adopt a metrical speech segmentation strategy appropriate for their language. The proposal was borne out of recent research in infant speech perception which demonstrated that young infants are sensitive to prosodic properties of language that are relevant to linguistic rhythm. Systematic evaluation of the literature revealed that while the acquisition of stress-timed languages appear to fit the prediction of the bootstrapping hypothesis, data from the other languages are not so clear. Japanese data, in particular, is not consistent with the hypothesis. It is argued that the rhythm of a language may be salient for infants in all languages, but how this sensitivity is linked to other aspects of language acquisition may differ for the three rhythm types.
  • 平田 由香里
    原稿種別: 本文
    2009 年 13 巻 3 号 p. 33-43
    発行日: 2009/12/30
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー
    本論文では,日本語らしいモーラリズムの重要な要素である長短音韻対立に焦点をあて,日本語学習者の知覚に影響を与える三つの要因(提示文脈・発話速度・複数モダリティインプットの学習効果)に関する研究を紹介する。日本語母語話者が文中の単語の長短対立を知覚する際,単語外の部分のリズムや速度も有用な手がかりとして使うが,初級学習者は自動的にそのような知覚ができない。また,知覚訓練中の提示文脈・発話速度は,学習過程の重要な要因であることがわかった。さらに,視覚インプットとしての話者の口の動きは長短対立の聴覚学習に貢献するが,長短対立を手の動きで表すビートジェスチャーは,聴覚学習に貢献しないことがわかった。
  • 田中 伸一
    原稿種別: 本文
    2009 年 13 巻 3 号 p. 44-52
    発行日: 2009/12/30
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー
    本論文は,一見無関係で異質なものに見えるプロミネンスと有標性との間に,隠された共通の性質があることを主張する。具体的には,いわゆる強勢アクセントだけでなく,有標な分節メロディも,リズム交替の原理に支配されていることを実証する。リズム交替の原理とはいわばリズムという実体の根源的性質であり,それを定義する性質として「単一指向性」「反隣接性」「等時性の出現」を取り上げ,これらが2つの間で共有されていることを示す。その際,その性質を保つための音韻プロセスについても,2つの間に並行性があることも明らかにする。更に,事例研究として日本語を取り上げ,従来は和語だけに存在すると考えられてきたライマンの法則がある種の外来語にも成り立つ(単一指向性がある)だけでなく,そこに反隣接性も見出されることを実証する。本稿の帰結として,従来見過ごされてきた「有標性とプロミネンスの並行的性質」と「ライマンの法則の外来語への適用性」と「OCPの隣接性に関する新たな証拠」の発見が重要な意味合いを持つことになる。
  • 松浦 博, 秀島 雅之, 和田 淳一郎, 犬飼 周佑, 安藤 智宏, 五十嵐 順正
    原稿種別: 本文
    2009 年 13 巻 3 号 p. 53-65
    発行日: 2009/12/30
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー
    In this paper we describe a newly developed assessment method of Japanese mora timing, which is the foundation of the rhythm of the Japanese language, based on the phonetic segment technique. In this technique time-spectral patterns of uttered speech are transferred to the phonetic segment labels every 8ms frame shift. First, we propose a consonant region and vowel region estimation algorithm based on the phonetic segment labels. Next, we calculate the mora length simply and accurately by the number of phonetic segment labels and evaluate the pronunciation of foreign students. Furthermore, by using the utterance data of Japanese students, we show that the permissible variation based on the type of each mora and adjacent mora differs. We claim that the proposed method of evaluating the validity of a foreign student's mora timing by using the mora length and the ratio of each mora length to the whole word length is effective.
  • 西村 良太, 北岡 教英, 中川 聖一
    原稿種別: 本文
    2009 年 13 巻 3 号 p. 66-84
    発行日: 2009/12/30
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー
    In smooth and cooperative human-to-human conversations, the prosody as pitch is synchronized between speakers. From this, it is expected that there are some relations between various prosodic changes and the impressions of the conversations. It is necessary to understand what factors are involved in meaning the conversation smooth and lively. In this paper, we analyzed the correlation between the fundamental frequency's synchrony tendency or overlap frequency, and subjective measures of "liveliness" and "familiarity" in human-to-human dialog. As a result, when the prosodic change of speakers synchronized well, it seemed the dialog became familiar, lively, and frank, and the speakers were in agreement. It is shown that the impression signifiers of the conversation are able to be evaluated with only the use of prosodic information.
  • 小松 雅彦, 荒井 隆行
    原稿種別: 本文
    2009 年 13 巻 3 号 p. 85-89
    発行日: 2009/12/30
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー
    日本語発話における変調スペクトルとリズムを構成する単位の関係を調べた。変調スペクトルは,音声の単位の出現するタイミングと関係がある。英語の音節の方が日本語よりも長いにも関わらず,英語発話と日本語発話の変調スペクトルは類似している。「日本語MULTEXT」から得られた変調スペクトルのピークは,4〜5Hzであり,200〜250msの時間長に相当する。モーラの長さは短く,変調スペクトルのピークには対応しない。音節の長さは,ほとんどのものが短かったが,2モーラ以上から構成されている音節は200〜250msに分布していると推定された。連続する2モーラおよび2音節の長さは200〜250msであった。これらのことから,単独のモーラや音節ではなく,2モーラまたは2音節からなる脚が変調スペクトルのピークに対応していることが分かる。変調スペクトルと2モーラまたは2音節からなる脚の関係を示すことができた。2モーラまたは2音節の脚は,かなり一定の間隔で現れ,強さ曲線への影響が大きい。
研究ノート
  • 大深 悦子, 森 庸子, ギルバート ジョアン E., 桐谷 滋
    原稿種別: 本文
    2009 年 13 巻 3 号 p. 90-100
    発行日: 2009/12/30
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー
    米語話者と日本人英語学習者が,英語の文強勢知覚の手掛りとして,持続時間をどのように用いるかを調べる聴取実験を行った。男性米語話者がノーマル・ストレスで発話した"they thought about the report"をもとに,(A)'they'の持続時間と,(B)"they thought"におけるF0曲線('they'を'thought'より高くするか,低くするか)を加工した音刺激を,米語話者と日本人英語学習者に聞いてもらい,どの語に第一文強勢を知覚したかを調べた。実験の結果は,日米の被験者ともに,'they'の持続時間が同じであれば,'they'が'thought'より高い音刺激に,文強勢を知覚する率が高かった。しかし,'they'に文強勢を知覚するのに必要な持続時間は,日本人被験者の方が,米国人被験者より,長い傾向にあることがわかった。
  • 川原 繁人, 篠原 和子
    原稿種別: 本文
    2009 年 13 巻 3 号 p. 101-110
    発行日: 2009/12/30
    公開日: 2017/08/31
    ジャーナル フリー
    近年の音韻論・音声学研究において,音の対応は知覚的に近似するものの間で起こりやすいことが,洒落や韻などの分析をもとに指摘されている(Steriade 2003)。これは日本語のダジャレの音対応分析によっても確認され,特に子音の対応には知覚的近似性の知識が使われていることが示された(Kawahara and Shinohara 2009)。本稿はこれらの研究に基づき,新たに日本語のダジャレにおける母音の対応を分析する。ダジャレのコーパスデータにみられる母音の近似性行列の特徴を分析したところ,弁別素性(distinctive fatures)に基づく音韻的近似性ではこの特徴は説明しきれず,知覚的近似性を考慮して初めて説明可能となることが判明した。ゆえに本研究の結果からは,弁別素性に基づく音韻論的対応仮説よりも知覚的近似性にもとづく音声学的対応仮説の方が音の対応をより適切に説明できる,という結論が得られる。
第320回研究例会発表要旨
第23回日本音声学会全国大会
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