耳鼻咽喉科展望
Online ISSN : 1883-6429
Print ISSN : 0386-9687
ISSN-L : 0386-9687
臨床
当科における時間外救急に関する臨床的検討
小森 学関山 尚美露無 松里飯村 慈朗重田 泰史宇井 直也波多野 篤
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 52 巻 3 号 p. 159-165

詳細
抄録
当科における2007年度 (2007年4月~2008年3月) の時間外救急の現状について臨床的検討を行った。受診した患者数は全体で1,033人であり, 内248人が救急車にて受診した。受診時の疾患名に関しては急性中耳炎, 鼻出血, 異物の順に多く, その内救急車を利用した受診者においては鼻出血, 異物, めまいが多く見られた。患者の年齢に関しては10歳未満が最も多く, 救急車利用率については高齢者になるほど高かった。今回の検討では深夜から早朝にかけての成人受診者数の増加, 救急車利用率の増加が示唆された。
今後の課題としては, 家庭での救急対応法, 救急搬送トリアージ, 救急相談センターなどについての啓蒙活動をして時間外救急の現状を理解してもらうことが必要であると考える。その上で各病院での現状を把握し, 効率的な救急体制を築いていくことが望まれる。
著者関連情報
© 2009 耳鼻咽喉科展望会
前の記事 次の記事
feedback
Top