抄録
目的: フロン代替MDIエアロゾルMometasone Furoate懸濁液中の主薬の粒径分布, モデル鼻腔内沈着分布及びその噴霧角度による動態につき検討した。
方法: 沈着は風乾固体エアロゾル状を呈するため, 受け止め法による幾何学的粒径測定法を選び, 主薬長径を測定し, 粒径とした。著者等の方法 (耳展25-S2: 137) により, 鼻腔モデルLM8#1204 (高研) の内面20箇所にろ紙を貼付し, 通常及び下向き噴霧角度で噴霧し, 主薬エアロゾルを補集, HPLC法により定量した。
結果と考察: 粒径2.5~5μmが46.2%, 2.5μm以下が42.0%であった。通常噴霧角度では, 鼻前庭~中・下鼻甲介を中心とした臨床適応分布パターンを示した。下向き噴霧角度では, 下鼻甲介, 下鼻道及び鼻中隔下部等, 特に後部下方に多く分布し, 通常噴霧角度との差を示した。