耳鼻咽喉科展望
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39 巻 , Supplement2 号
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  • 山本 邦夫, 石塚 洋一, 今村 祐佳子, 西澤 美香
    1996 年 39 巻 Supplement2 号 p. 123-127
    発行日: 1996/08/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    濃厚な微生物汚染を受けたネブライザー器具は, 感染源となる危険性がある。そこでネブライザー器具の消毒法について検討した。アンケート調査では29施設中25施設で, 消毒剤による浸漬法を用いた消毒法がとられていた。使用直後のネブライー器具からは33検体中18検体に何らかの細菌が検出された。1次亜塩素酸ナトリウム, グルコン酸クロルヘキシジンはネブライザー器具の消毒に十分な殺菌効果が認1められた。ネブライザー器具の消毒には一般細菌の他に, 結核菌, 真菌, 各種のウィルスなどに有効な広い抗菌スペクトルを有する消毒剤の使用が望ましい。
  • 木村 有一, 斎藤 等, 森 繁人
    1996 年 39 巻 Supplement2 号 p. 128-131
    発行日: 1996/08/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    プロスタグランジン (PG) は炎症反応に関与するアラキドン酸代謝産物である。このうち, PGE1, E2は鼻粘膜繊毛運動活性を充進させることが報告されており, 炎症時の局所防御反応に関与していると考えられる。局所投与によって繊毛運動による生体防御機構を低下させてはいけないので, われわれが日常診療において抗炎症の目的に局所用剤として使用するホスホリパーゼ阻害剤や, 最近局所用剤として検討され始めているシクロオキシゲナーゼ阻害剤の繊毛運動の障害性の有無を検討する必要がある。そこで今回われわれは, PG産生を阻害するアスピリン, プレドニゾロンを摘出鼻副鼻腔粘膜に作用させ, 繊毛運動活性の変化を検討した。その結果アスピリンでは, 0.72%(7,200mg/l) になると繊毛運動を障害するが, 0.36%(3,600mg/l) 以下ではむしろ活性化した。またプレドニゾロンでは, 0.10%(1,000mg/l) 以下の低濃度で繊毛運動の活性化がみられた。したがってこれらの薬剤は適切な濃度で使用すれば, 繊毛運動の活性の面からは安全な鼻副鼻腔炎治療剤として利用できるものと考えられた。
  • 間島 雄一, 原田 輝彦, 郭 永清, 坂倉 康夫
    1996 年 39 巻 Supplement2 号 p. 132-136
    発行日: 1996/08/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    8名の健康成人男性を対象とした。ニューロキニンA (Neurokinin A: NKA) は, 非アドレナリン, 非コリン作動性の神経ペプチドの一つであり, この128μgをジェットネビュライザーで鼻粘膜に投与した。対照として生理的食塩水を同様に投与した。NKA投与または生食投与10分前にニュートラルエンドペプチターゼ (neutoral endpeptidase) 抑制剤であるチオルファン (thiorphan) 2.5mgを同様に投与した。そしてNKAまたは生食投与10分後にヒスタミンに対する反応閾値を検討した。
    くしゃみまたは水様性鼻漏を生ずる最小ヒスタミン濃度にはNKA投与の場合と生食投与の場合で有意の差は認められなかった。またNKAはacoustic rhinometerで評価した鼻腔の通気性にも影響を示さなかった。これらの結果よりNKAは正常人においてヒスタミンに対する鼻粘膜過敏性を亢進しない可能性が示唆された。
  • 本間 裕, 横山 貴康, 野中 聡, 海野 徳二
    1996 年 39 巻 Supplement2 号 p. 137-140
    発行日: 1996/08/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    副鼻腔炎に対するエアロゾル療法を有効に行うためには, 必要量の有効物質を副鼻腔に送り込むことが重要である。そのため種々の方法が検討されているが, 吸入中に嚥下運動を行うこともそのひとつである。今回我々は, 鼻ネブライザー施行時の嚥下運動により鼻腔内圧がどのように変化するかを測定し, ネブライザー施行中における嚥下運動の効果を再検討した。ジェットネブライザーを一側鼻腔から行い, 他側からは鼻腔内圧を測定し, 同時に外耳道圧も測定した。ジェットネブライザーの流量を0から毎分3リットルの間で数段階に調節し, 各々の流量における嚥下時の鼻腔および外耳道圧の変動を記録した。嚥下時に鼻腔内圧は上昇し, 流量の増加につれて変動は増大した。毎分3リットルの流量では鼻腔内圧は約20cmH2O上昇した。外耳道圧の変動は流量毎分0.5リットルから起きた。ネブライザー施行中の嚥下運動により, 副鼻腔に対してのネブライザー療法の効果は高まり, さらにその効果は耳管, 中耳にも及ぶことが再認識された。
  • 小森 真由美, 近藤 由香, 高須 昭彦, 岩田 重信
    1996 年 39 巻 Supplement2 号 p. 141-144
    発行日: 1996/08/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    鼻・副鼻腔間の換気については今だ一定の見解が得られていないため鼻・副鼻腔モデルを作製し調べた。
    まず, 水力学的実験としてモデル内に水を満たし, ピストンで脈動流を発生させ圧力測定を行った。また, 鼻腔部と副鼻腔部に濃度の異なった水溶液を入れて換気し, 濃度変化を測定し, 一呼吸の副鼻腔内容の交換率を求めた。
    さらに空気力学的実験としてガラス製モデルに抵抗をつけ, 450mlのポンプにて脈動流を発生させ鼻腔と副鼻腔の圧力を測定した。実験は鼻腔抵抗と自然孔径を変えて行った。
    水力学的実験では鼻腔圧と副鼻腔圧の変化は位相差がありピストンの回転数が増加すれば, 副鼻腔の圧力変動は大きくなり両者間の換気が増大することが示唆された。副鼻腔の容積が小さいと交換率が2倍以上になり, 内部の拡散には関係が深いことが分かった。
    また, 空気力学的実験では抵抗を増大させる程, 鼻腔部の圧力も副鼻腔の圧力も大きくなり, 自然孔径が小さくてもほぼ同じ変動曲線を示した。後部に抵抗を付けることにより, 副鼻腔内に空気が流入しやすくなると考えられた。
  • 佐藤 良暢, 倉橋 寛, 徳勝 智子, 吉澤 英子, 岡崎 公哉
    1996 年 39 巻 Supplement2 号 p. 145-150
    発行日: 1996/08/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    目的: フロン代替MDIエアロゾルMometasone Furoate懸濁液中の主薬の粒径分布, モデル鼻腔内沈着分布及びその噴霧角度による動態につき検討した。
    方法: 沈着は風乾固体エアロゾル状を呈するため, 受け止め法による幾何学的粒径測定法を選び, 主薬長径を測定し, 粒径とした。著者等の方法 (耳展25-S2: 137) により, 鼻腔モデルLM8#1204 (高研) の内面20箇所にろ紙を貼付し, 通常及び下向き噴霧角度で噴霧し, 主薬エアロゾルを補集, HPLC法により定量した。
    結果と考察: 粒径2.5~5μmが46.2%, 2.5μm以下が42.0%であった。通常噴霧角度では, 鼻前庭~中・下鼻甲介を中心とした臨床適応分布パターンを示した。下向き噴霧角度では, 下鼻甲介, 下鼻道及び鼻中隔下部等, 特に後部下方に多く分布し, 通常噴霧角度との差を示した。
  • 横井 博之, 柴崎 真衛, 田辺 剛, 堀内 正, 高見 和孝, 鈴木 勝
    1996 年 39 巻 Supplement2 号 p. 151-155
    発行日: 1996/08/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    我々は, 近年開発された超音波の特性を生かした小型で安価な超音波ネブライザーを用いて, 1) ジェツトネブライザーとの噴霧粒子分布の比較, 2) 超音波ネブライザーにおける各種薬剤の粒子分布3) 連続噴霧による粒子分布の変化, 4) 薬剤濃度差による粒子分布の比較, 5) 有用性の検討を行った。その結果は1) 超音波ネブライザーの粒子分布はジェット式と同等である。2) 各種薬剤間の粒子分布の差は無い。3) 連続噴霧に関しても粒子分布の変化は見られない。4) 薬剤濃度差による粒子分布変化は見られない。5) 患者モニターによりその有用性が認められた。
  • 家庭用スプレー製品の中毒
    石塚 洋一, 山本 邦夫, 今村 祐佳子
    1996 年 39 巻 Supplement2 号 p. 156-161
    発行日: 1996/08/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    エアロゾル療法は, 局所や全身にあたえる影響は少ないが, ネビュライザー療法として用いた場合, 下気道にもエアロゾル粒子が沈着することを念頭においた使用が望まれる。これは, エアロゾル粒子が, 上気道よりも下気道に障害をあたえる可能性が高いからである。日常生活でも, 様々なスプレー製品を用いる機会がある。これらの製品の中には, エアロゾル粒子の下気道障害性が強いものもあり注意を要する。防水スプレーは死亡事故が出ており, これはフッ素樹脂の吸入毒性により, 間質性肺炎や肺水腫を起こしたものと考えられる。この他にも, ヘアスプレー, 静電気防止スプレー, 殺虫剤スプレーなどの中毒が報告されている。
  • 松永 喬
    1996 年 39 巻 Supplement2 号 p. 162-164
    発行日: 1996/08/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Like nebulization therapy for the nasal and paranasal sinuses, laryngeal nebulization therapy is an important and frequently used means of treating otorhinolaryngological disease. Last year, at the 18th meeting of this society, headed by Prof. Ginichiro Ichikawa of Juntendo University, I served as the chairman of the symposium entitled “Problems regarding laryngeal nebulization therapy”. Presentations made during that symposium was published in O.R.L. Tokyo 38 Supplement 2, 1995. Today's symposium focused on confirming basic data regarding effective methods of laryngeal nebulization therapy and exchanging clinical data which indicate effective methods of nebulization therapy, effective drugs for nebulization therapy and cases responding well to this therapy, with emphasis laid on inflammatory laryngeal disease.
    The first four presentations appertain to the basics of laryngeal nebulization therapy. First, Dr. Suzuki will make a presentation on the kinetics of bacterial flora in the larynx. Dr. Kumazawa will then speak about deposition of aerosols in the larynx following nebulization therapy. Third, Dr. Shimizu will report on levels of inhaled drugs in blood and airway mucosa as well as histological changes in the airway mucosa following inhalation of drugs using a nebulizer. Dr. Mori will then speak about the effects of changes in relative humidity, osmotic pressure and pH on the airway mucosa.
    The first presentation on the clinical aspects of nebulization therapy will be made by Dr. Muta, who will present clinical results of laryngeal nebulization application of antimicrobial agents in the treatment of acute inflammatory disease and wounds which is made by phonosurgical operations. Dr. Hyo and Dr. Ogawa will then report on attempts to objectively evaluate the redness of the laryngeal mucosa using digital video images. Finally, Dr. Matsune will report on attempts to develop objective means of assessing lesions of the laryngeal mucosa, using a rigid laryngoscope, stroboscope, TV camera, electronic endoscope. I hope this symposium will serve as a milestone regarding basic and clinical aspects of effective laryngeal nebulization therapy for inflammatory disease.
  • 鈴木 賢二, 馬場 駿吉, 田中 悦夫, 田中 伊佐武
    1996 年 39 巻 Supplement2 号 p. 165-169
    発行日: 1996/08/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    生直後より84歳までの耳鼻咽喉科領域に疾患を持たない症例の喉頭・咽頭後壁・口蓋扁桃・鼻腔より無菌的に菌検索を行い, 常在細菌叢の獲得と変遷につき検討し, 急性喉頭炎, 慢性喉頭炎における検出菌についても検討をすすめ, 以下の事柄が判明した。新生児の喉頭にはα-stnptoooccns, Lactococcus, MIicrococcns等の常在菌が生後6時間で出現し始め, 24時間で全例にいずれかの常在菌を認め, 5日自までは嫌気性菌は認めなかった。喉頭においてはグラム陽性菌・グラム陰性菌の検出率は加齢により減少し, 嫌気性菌のそれは老年期に増加している。新生児期から老年期まで喉頭, 咽頭後壁, 口蓋扁桃よりの検出菌はStnptococcns sp.を中心として類似しており, 鼻腔のそれはStaphylococcu s sp.を中心としていた。喉頭の炎症の起炎菌は咽頭後壁からも検出できることが多いと思われた。
  • 熊澤 博文, 朝子 幹也, 山下 敏夫, 河 相吉
    1996 年 39 巻 Supplement2 号 p. 170-175
    発行日: 1996/08/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    喉頭ネブライザー療法は, 急性および慢性咽喉頭炎等の各種疾患に対し, 抗生物質やステロイド等の薬剤を喉頭の局所に到達させ, その薬理作用を促すことを目的とする。今回著者らは, ネブライザーを使用する患者による吸入方法の工夫で, 喉頭への薬剤沈着の程度の差違の有無に注目し検討を行った。健常成人男性に99m-Tc-diethylenetriamine pentaacetic acid (DTPA) 含有生理食塩水を, 超音波ネブライザー (オムロン社製: NEU-11B) にて吸入させ, 喉頭, 咽頭, 肺への沈着率を各種呼吸条件で比較した。深くゆっくりした呼吸 (毎分12回) では, 肺への沈着率が高く, 喉頭への沈着率が最も低かった。しかしながら, 毎分36回の比較的速い呼吸では, 肺への沈着率が減少し, かつ喉頭への沈着率が増加した。さらに, この毎分36回の呼吸に発声を付加すると, 喉頭への沈着率は最も高くなり肺への沈着率をうわまわった。以上の結果は, 喉頭ネブライザー療法の際, 患者による吸入方法が喉頭への沈着の程度に及ぼす重要な因子の一つと考えられた。
  • 清水 猛史, 藤田 健一郎, 間島 雄一, 木村 聖子, 徳持 史紀, 坂倉 康夫
    1996 年 39 巻 Supplement2 号 p. 176-180
    発行日: 1996/08/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ウサギを用いた喉頭ネブライザーモデルを作製し, 塩酸セブメノキシム (CMX) とリン酸ベタメタゾンの喉頭粘膜からの吸収について検討した。薬剤の吸収は, 口腔粘膜と気管粘膜, 次いで声帯仮声帯の順に吸収率が高かったが, 重層扁平上皮と線毛円柱上皮で差は認められなかった。CMXの組織内濃度はネブライザー終了15分後に高値を示し, 60分後には半減した。CMXの血中濃度は測定限界 (100ng/ml) 以下であった。リン酸ベタメタゾンの組織内濃度もネブライザー終了15分後に高値を示したが, 加水分解産物であるベタメタゾンは60分後に高値を示した。血中濃度もリン酸ベタメタゾンがネブライザー終了直後に最高値を示したのに対して, ベタメタゾンは投与直後から検出され, その後徐々に増加し60分後に高値を示した。
    Lipopolysaccharides (LPS) 前投与で惹起させた炎症モデルでは生食前投与群に比べてリン酸ベタメタゾンの組織内濃度がいずれも高い傾向があり, ベタメタゾンも気管粘膜における組織内濃度が有意に高く, 炎症病巣における薬剤吸収の亢進が推測された。
  • 森 繁人, 斎藤 等
    1996 年 39 巻 Supplement2 号 p. 181-189
    発行日: 1996/08/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    喉頭ネブライザー療法は,日常の臨床に広く定着した治療法である。しかしながら使用薬剤や調製濃度に関する明確な指針や,副作用の実態,薬剤や調製濃度と副作用の因果関係などについてはほとんど明らかにされていない。
    今回われわれは,喉頭ネブライザーの下気道粘膜に与える影響と副作用について,臨床的な副作用と,気道繊毛上皮が受ける影響の二つの観点から検討を行い,喉頭ネブライザー療法の薬剤選択と調製に関して考察を試みた。
  • 兵 行和, 小川 佳伸
    1996 年 39 巻 Supplement2 号 p. 190-194
    発行日: 1996/08/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    急性喉頭炎の治療効果の判定法として,従来の自覚症状の改善度とともに喉頭粘膜の発赤度を指標として他覚的な評価法を試みた。
    急性喉頭炎の治療効果の判定法として,従来の自覚症状の改善度とともに喉頭粘膜の発赤度を指標として他覚的な評価法を試みた。
    この発赤度の他覚的評価法を用いて,正常者と対比して,急性喉頭炎症例の病型を分類し,さらに超音波ネブライザー治療例の治療前・後の発赤度を測定し,ネブライザー療法の治療効果を検討し,その有用性を報告した。
  • 声門面積の客観的評価の試み
    松根 彰志, 溝井 一敏, 岩元 光明, 宮之原 利男, 大山 勝
    1996 年 39 巻 Supplement2 号 p. 195-203
    発行日: 1996/08/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    声帯の炎症性病変の治癒過程を客観的に見るために,声門部での反射光による光電グロトグラフィーを用い,発声時の声帯粘膜波動による声門面積の変化の評価を行った。声帯粘膜波動によって生じる反射光は側視付き硬性ファイバーを介して光電変換され,声門部の画像や頸部正中に取り付けられたコンタクトマイクロフォンによって得られた発声原音とともにビデオテープに記録された。周波数分析を行った結果,正常例で発声時の光電信号の基本周波数やその整数倍の周波数の出方に個人差があることが確認され,また,喉頭結節例や急性喉頭炎例の疾患例で,喉頭直達鏡下の手術やネブライザー等の保存的治療による回復過程を客観的に評価することができた。
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