2004 年 73 巻 4 号 p. 481-484
荷電ビーム照射により原子レベルの欠陥が結晶表面に誘起できると報告されている.これとは逆に,荷電ビーム照射が欠陥を消失して表面結晶性を回復する現象を発見した.この現象は低エネルギー電子線(<70eV)照射により起き,非熱的過程である.実験手法は,マクロの表面応力測定と,ミクロの走査トンネル顕微鏡による表面構造観察の複合である.照射試料はシリコン表面欠陥層で,実験は室温で行った.将来的には,熱に弱い固体部位を室温でアニール修復する新プロセス技術へと発展できる.ビーム径をナノメートルに絞る技術が出現すればナノ加工にも応用できる.