応用物理
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Print ISSN : 0369-8009
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陽電子消滅法の高分子材料への応用とRI利用短パルス化低速陽電子ビーム装置の開発
鈴木 健訓
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2004 年 73 巻 4 号 p. 494-500

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抄録

陽電子をナノプローブとして用いると,高分子構造間にある空げきの大きさや量を定量的に求めることが可能である.また,陽電子は測定中に高分子に照射効果を与え,極低温で高分子鎖の運動の停止した高分子にみられる捕そく電子を介して,高分子の緩和現象を研究するプローブともなる.消滅する相手の電子の運動量はドップラー広がりに反映し,広がりのすそ野から内殻電子の高エネルギー電子運動量成分を分離でき,高分子中に含まれる微量元素の検出にも応用できる.低エネルギーの陽電子は,厚さ数百nmほどの薄膜中に存在するナノサイズ空げきを定量的に測定することを可能にし,半導体素子表面の高分子絶縁膜などの非破壊による特性解析に重要な役割を果たす.

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© 2004 公益社団法人応用物理学会
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