本稿では,酸化亜鉛(ZnO)結晶成長機構の理解とその応用に向けて,密度汎関数法に基づく第一原理計算を用いて,ZnO(0001)表面上Zn,O吸着原子の動的過程を検討した.第一原理計算の結果から,Zn極性面である(0001)面に対して,Zn過剰の成長条件がウルツ鉱型構造を形成し,結晶成長を促進することを示した.しかし,同時にO(酸素)吸着原子は表面拡散能力が低いことも判明しており,ZnO結晶の高品質化には,高温成長条件など「吸着原子の表面拡散を促す諸工夫」が重要となる.ZnO成長の表面原子構造に着目した第一原理計算によって得られた知見が,実験で観測されるZnO(0001)系全体の諸現象を予見しうることが,本研究の動的モンテカルロ・シミュレーションにより示された.