2007 年 76 巻 5 号 p. 495-498
青・緑色LEDなどの光学素子に広く用いられているInGaN薄膜中には,基板との格子不整合により〜108cm-2もの貫通転位が含まれている.しかし,この材料系は高欠陥密度であっても高輝度の発光を示し,光学素子としての機能を十分に果たすことが知られている.最近になって,光学測定や陽電子消滅などによる発光機構の詳細な解析が行われるようになり,〈11-20〉に並ぶIn-Nジグザグ列が効果的な発光中心の役割を担うことで,高輝度発光が実現されていることが理解されてきた.本稿では,理論的な観点から薄膜中の原子配列を解析し,実測結果との比較検討を行う.また,成長面方位と原子配列の関係についての議論も行う.