がんの中で,上皮性の悪性腫瘍の1つである扁平上皮がんは,食道がんの90%以上,子宮頚部がんの80%以上,肺がんの30%以上を占めている.治療方法としては,がんの進行度によって手術,放射線療法,化学療法が3本柱となっているが,近年,がん細胞が正常な細胞と比べて熱に弱いことを利用した温熱療法が注目されている.そこで本研究では,患部に直接貼布可能な温熱ナノファイバメッシュを開発した.このメッシュは,体外から交流磁場を加えることで発熱すると同時に,抗がん剤を放出するため,温熱療法と化学療法を同時に行うことができる.