2014 年 83 巻 6 号 p. 473-477
カーボンナノチューブは,光励起や電流注入により近赤外光領域で発光し,将来の光ファイバ通信用省エネルギー光源やバイオイメージング用発光体などへの応用が期待される擬1次元量子細線である.しかし,通常その発光の量子効率は約1%程度と低く,実用化のために大幅な発光効率の向上が望まれている.今回,発光性の0次元的な局所状態(量子ドット状態)をナノチューブ上にまばらに埋め込むと,その部分において,元の1次元部分と比べ約18倍以上の高い量子効率(約18%程度)で発光が生じることが明らかとなった.この発見は,レアメタルなどの希少元素を用いることなく,光ファイバ通信用の高効率な量子光源などを,炭素だけで作製する革新技術の実現につながると期待される.