2014 年 83 巻 7 号 p. 576-579
テラヘルツ時間領域分光におけるパルス光源として,小型で安定性に優れる1.5µm帯ファイバレーザーへの移行が進んでいる.この波長帯に適合したテラヘルツ波発生・検出用光伝導アンテナ材料の開発が必要であるが,従来広く用いられてきた低温成長GaAsでは励起効率が低い.InGaAsを用いたアンテナも市販されているが,雑音が高いなど,その性能には改善が望まれる.一方,低温成長GaAsアンテナは極めて低雑音であるので,非線形吸収を活用できれば,1.5µm帯励起においても有用なアンテナになりうる.本稿では,低温成長GaAs光伝導アンテナの1.5µm帯励起に関する筆者らの最近の研究を紹介する.