2017 年 86 巻 3 号 p. 214-219
非平衡プラズマで生成される種々の活性種は低温で化学反応を生起するため,一種の触媒作用を有すると考えられる.とりわけ,非平衡プラズマを触媒微粒子に作用させると,低温における表面反応促進,活性化エネルギーを低下させる効果など画期的な現象が数多く報告されており,ナノカーボンの成長制御やアルカンの低温活性化など急速に適用範囲を広げている.本稿では,非平衡プラズマのエネルギー・環境分野における新しい応用展開,およびそれを支援する学術基盤の確立を目的に,触媒化学分野で重要な反応の1つである安定分子(CH4, CO2)の低温・高速転換に焦点を絞り,非平衡プラズマによって誘起される触媒作用とその機構について最近の成果とともに研究の概要を紹介する.