2018 年 87 巻 9 号 p. 655-659
太陽電池やパワーデバイスの高性能化に向け,シリコン結晶基板の高品質化が求められている中で,有害な残留炭素不純物の低減が課題となっている.そこで,従来法では検出できなかった低濃度の炭素を,電子線照射により発光活性化させ,そのフォトルミネセンスを利用して定量する手法が注目されている.この手法は1012cm-3台に達する高い検出感度をもつ一方,液体ヘリウム温度での測定が必要という障害があった.本稿では,最適化した低波長分散分光計により,扱いが容易な液体窒素温度で,より高速・高感度で炭素定量が行えることを示す.さらに室温においても炭素関連発光を検出でき,定量に利用できる可能性が高いことを紹介する.