2018 年 87 巻 9 号 p. 660-664
スピン軌道相互作用を用いることで,電子の電荷の流れ「電流」とスピンの流れ「スピン流」を相互に変換できる.電流とスピン流の相互変換は,スピン軌道相互作用を基盤とした新原理のスピン素子駆動を可能とするだけでなく,スピン流によって発現する新現象・新機能探索の鍵となる.本稿では,スピン軌道相互作用を中心とするスピントロニクスの新領域「スピンオービトロニクス」に関する最近の研究として,金属酸化物によるスピン軌道トルク生成と磁化制御,自己組織化有機単分子膜を用いた電流‐スピン流変換の光制御に関する実験を紹介する.