2020 年 89 巻 3 号 p. 139-146
グラフェンの単離以来,すでに約15年が経過した.この間にバンドギャップを有する2次元層状物質も登場し,世界的な競争において基礎物性/応用両面で多くの成果が得られているが,電子デバイス応用に関しては依然として材料自身の高い潜在能力を期待しての議論にとどまっている.本稿では,従来のSiO2/Siにおいて多くの研究により理解してきた界面描像と,グラフェンや代表的な2次元層状物質であるMoS2を比較しながら,2次元層状物質の高い潜在能力を引き出す界面制御技術について解説する.