応用物理
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解説
低エネルギー電子衝突断面積セットの高精度推定
佐藤 孝紀
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2020 年 89 巻 5 号 p. 253-259

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抄録

電子は,放電プラズマの発生・維持および放電プラズマの応用において必要な種を生成する主役を担っており,その振る舞いは,電子輸送係数によって記述される.放電プラズマ中の電子の振る舞いを正確に知ることで,放電プラズマを応用するプロセスや機器の性能をシミュレートすることが可能となり,近年のコンピュータの計算速度向上と記憶容量増加およびシミュレーション技術の向上と相まって,放電プラズマのシミュレーションが盛んに行われている.このシミュレーションで得られる情報は,放電プラズマの自在な制御にフィードバックできるので,より高い精度のシミュレーションへの要求が高まり,その結果として,電子輸送係数,および,その算出に用いられる電子衝突断面積にも高い精度が求められている.ここでは,低エネルギー領域(1000eV以下)における電子衝突断面積セットを,電子スオーム法を用いて高精度で推定する手法について述べるとともに,この方法で推定した水蒸気およびTEOSガスの電子衝突断面積セットについて説明する.

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© 2020 公益社団法人応用物理学会
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