応用物理
Online ISSN : 2188-2290
Print ISSN : 0369-8009
解説
ナノ構造における異常ネルンスト効果の物理と応用の新展開
水口 将輝
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2021 年 90 巻 2 号 p. 78-84

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抄録

異常ネルンスト効果は,自発磁化をもつ強磁性体などに温度勾配が印加されたときに,磁化方向と温度勾配の双方の外積方向に電圧が誘導される現象であり,古くからよく知られる熱磁気効果の1つである.近年,さまざまな材料についてこの効果の物理的特性が解明され,効果の大きな材料の発見も相次いで報告されている.また,異常ネルンスト効果を効率的な熱電変換に応用する研究も試みられており,「スピンカロリトロニクス」の分野で注目を集めている研究対象である.筆者らは,異常ネルンスト効果を活用した実用的な熱電発電への応用を視野に入れ,材料探索やナノ構造の導入による制御などを試みてきた.本稿では,主にナノ構造における異常ネルンスト効果の物理と応用の新展開について,筆者らの最近の成果を織り交ぜつつ,解説する.

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© 2021 公益社団法人応用物理学会
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