この数年の間に,量子コンピュータは非常に身近な技術となった.一方で,量子コンピュータが何を指すのかは,その時々で変わってしまうため,現在の量子コンピュータ技術がどの程度未来社会にインパクトを持ちうるのかについては,明確なビジョンを持つことが難しくなっている.本稿では,未来の量子コンピュータが持つ技術感から,逆に現在の量子コンピュータ技術を振り返ることで,現在の技術レベル,開発の道のり,現在から未来の量子技術が持つ社会への技術的インパクトを明らかにする.また,未来の量子コンピュータへどのようにアプローチするのかによって,私たちが到達できる量子技術全般がどのように変わってくるのかを具体的に見ることによって,多様な量子技術の社会実装の在り方とその社会実装のインパクトについても概観する.