2023 年 92 巻 2 号 p. 84-88
今後Internet of Things(IoT)の更なる発展により,さまざまな表面から多くの情報を取得するセンサ技術とその信号処理技術が重要となる.そしてセンサ数の増大に伴う情報量の増加やシステムの複雑化,それによる消費電力の増大が見込まれる.本稿では,この次世代IoT社会実現へ向け,人を含む柔らかいモノからさまざまな情報を違和感なく取得するフレキシブルセンサシステムと,1つのセンサで多情報を予測するマルチタスクセンサシステムについて紹介する.まず印刷技術により安価かつ大面積で形成可能なフレキシブルセンサについて議論する.センサフィルムに切り紙構造を適用することで通気性および伸縮性を付与し,装着感を改善する.またセンサ構造を最適化することで運動時においても心電図やその他情報を常時計測できる無線センサシートを開発する.次に機械学習の1つであるリザバーコンピューティングを用いて1つのセンサで雨粒の体積と風速を同時予測するマルチタスクセンサシステムについて説明する.最後にフレキシブルセンサの実用化への道のりについて簡単に議論し,まとめとする.