抄録
本研究の目的は、準安定非晶質相から成る粉体の放電プラズマ焼結(SPS)による機能性セラミックスの創製である。本報告では、超急冷法を用いて作製した非晶質アルミナ/シリカ(モル比1:1)粉体についてSPSを用いて焼結し、常圧焼結法と比較した。本手法によって新機能性を有する、ユニークな非晶質バルク体の作製が期待できる。SPS温度850degC(100degC/min、0秒保持)までは非晶質相を保ったままバルク化することができたが、相対密度は80%程度と低かった。SPS温度900degCでは著しく緻密化した(95%)が、ムライト相が急激に結晶化したため亀裂が生じた。しかし、常圧焼結法では、900‐1100degCにおいて50%程度しか緻密かしなかったため、非晶質のバルク化とともに難焼結性を改善できることを見出した。