抄録
エクセルギーの概念を用いて環境負荷の視点からプロセスの効率と製品価値の定量化を試みた。今回、解析対象の事例として自動車部品用アルミ鋳造に使用されているセラミックヒータチューブを採り上げ、その製造、運用過程で消費されるエクセルギーを算出し、従来の鉄製品との比較を行った。その結果、セラミックス部材の生産・運用を通じた消費されるエクセルギーの総和は鉄製品を使用した場合に比べて小さくなることがわかった。セラミックスのもつ保存性の高さを考え併せると、セラミックスはアルミ鋳造の生産部材として使用されることにより、エクセルギー消費を抑えるという環境価値をもつと解釈できる。