抄録
連続鋳造用ノズルの熱衝撃性評価は、試験片サイズでの溶鋼への浸漬法や高温状態から水冷する方法などが一般的であるが、必ずしも実炉評価結果と良い一致は得られない。今回、連鋳ノズルを使用して内孔へ溶銑を注入する試験法を考案し、予熱温度が鋳造初期のノズルの亀裂発生・形態へ及ぼす影響について調査した。試験に供した浸漬ノズル本体材質は、高温側で耐熱衝撃性が向上する物性を有するAl2O3-Graphite材質を適用した。予熱温度が400℃では、浸漬ノズルの外表面より縦方向の亀裂が発生した。また、600℃予熱では僅かな縦亀裂が発生したが、800℃予熱では亀裂の発生は認められなかった。この結果は、有限要素解析結果と良い相関が認められた。