抄録
我々は室温でわずかな電気磁気効果(ME)を示すCr2O3極薄膜を作製し、その電子デバイスへの応用の可能性を探る研究を行っている。これまでCr2O3/(La,Sr)MnO3(LSMO)構造においてCr2O3のゲート電圧の変化によってヘテロ界面の輸送特性を変調できる可能性を示してきた。しかしながら、その詳細な抵抗変化メカニズムは未だ明らかにされていない。そこで今回、それらの抵抗変化特性と界面磁気結合状態及びME効果との関係を詳細に調べるために、強磁性膜厚の異なる試料を作製し、その界面交換結合定数と抵抗変化の相関に関して考察を行った。