2023 年 32 巻 2 号 p. 115-120
静脈疾患には日常最もよく遭遇する疾患である下肢静脈瘤と深部静脈血栓症(DVT)がある.エコー検査は静脈瘤では診断のみならず,術中のガイドとしての使用や術後評価として必須であり,DVTでは早期の画像診断のための第一選択の検査である.エコー検査においては静脈瘤の場合,静脈径の測定,逆流の判定を実施するとともに,瘤の広がり,逆流源,逆流経路を検査する.DVTでは可能な限り確定診断を行い,血栓の範囲,形態,性情を観察し早期治療を開始する.以上の理由から静脈エコー診断法は血管外科医も習熟しておく必要がある.