抄録
単分散アナターゼ型TiO2ゾルを空気中で363Kで乾燥させることにより、繊維状TiO2を調製した。得られた繊維は幅は約130μmで、長さ4~7cmだった。得られた繊維を363K~1273Kで熱処理した。熱処理温度の上昇と共に、アナターゼ相の結晶性の増加と粒子の焼結による166cm2/g~8.5cm2/gへの比表面積の減少がみられた。アナターゼ相の相転移によって1273Kでルチル相が現れた。繊維状TiO2はメチレンブルー(MB)の高い吸着特性を示す。600℃で熱処理した繊維状TiO2は約60%のMB吸着量を示した。また、600℃熱処理の繊維状TiO2上に吸着したMBの分解をUV照射下で測定し、高い光触媒作用を示すことが分かった。