抄録
近年、酸化タングステン(WO3)に多電子還元を起こす助触媒を担持することにより、高度な可視光活性が報告されている。一方、我々は助触媒の担持位置がWO3の光触媒特性に大きな影響を与えることを見出している。本研究では、ナノ構造を高度に制御したWO3をベースに助触媒の担持位置を最適化し、高い可視光活性をもつ薄膜の開発を目的とした。特に、大表面積化や光散乱などの効果で高活性が期待できるナノ樹状結晶を持つ新規六方晶WO3薄膜を作製し、パラジウム(Pd)助触媒を位置選択的に析出させ、光誘起親水化特性を評価した。