抄録
有機鎖官能基が空間的に厳密に配置されたペプチドテンプレートを用いて、リン酸カルシウムのミネラリゼーションを行った。β-シート型ペプチド(LE)8-PEG70はグルタミン酸(E)とロイシン(L)の交互シークエンスにより設計し浸漬法により単分子膜を調製した。この基板上に酢酸カルシウム水溶液とリン酸水素二アンモニウム水溶液を交互に滴下しリン酸カルシウムを析出させた。AFM測定により、ペプチドによる等間隔のファイバー構造が観察された。溶液濃度Ca 50 mM, P 30 mMのとき、高配向のナノレーン状析出物がSEM測定より確認された。XPS、TEMおよびED測定からリン酸カルシウムの析出物はアモルファスであることが明らかになった。さらに析出の初期段階において析出形態の違いが確認された。