抄録
ZnO系熱電材料は既存の重金属熱電材料に匹敵する大きな出力因子を持つが、熱伝導率が非常に高いため大きな性能指数は得られていなかった。当研究室では、ZnOにAlとGaを共ドープすると、フォノン熱伝導が効果的に低減され1000℃でZT=0.65が得られることを報告している。本研究では、ZnOへの多元ドープを種々検討した。
AlとCuを2%ずつ共ドープしたところ、室温での熱伝導率がAl2%ドープ試料の1/4以下、AlGa共ドープに比べても半分以下まで減少した。しかし導電率も大幅に減少したため、AlCuGa3元ドープを検討したところ、低い熱伝導率を保持したまま出力因子が有意に増大し、ZT=0.58が得られた。注目すべき点は、CuドープはGaドープより熱伝導率の低減効果が2倍以上大きいことで、この機構解明と導電率との両立は極めて興味深い。