抄録
可撓性のハイドロキシアパタイト(HAp)シートを用いたエナメル質の再生を試みた。抜去ヒト歯を歯根歯冠境界部で切断して、露出したエナメル質を耐水研磨紙で研磨し、その上にリン酸カルシウム水溶液を用いてHApシートを貼付した。その後、人工唾液を1日1回塗布し、試料とした。HApシートを貼付して10分間乾燥させたのち、X線回折(XRD)パターンを順次測定するとともに、貼付後21日目におけるシートのエナメル質表面に対する固着応力を、3 mmφの引張り冶具を用いた引張り試験により評価した。XRDパターンより、約1週間程度でHApシートとエナメル質が一体化したことが示唆された。また、21日後の引張り試験では、3.4 MPaでシートに接着剤で固定していた治具がシートから剥がれたため、エナメル質上のシートの固着強度は3.4 MPa以上であることが明らかになった。