抄録
チタン酸化合物固溶体FexMn1-xTiO3 (x = 0, 0.2, 0.5, 0.8, 1.0)を15GPa, 1100℃の高温高圧下で合成した。
Rietveld解析による構造精密化の結果、Lithium niobate型構造(R3c)であり、格子定数と体積のx依存性
が定量的に変化することを確認した。また磁化測定および比熱測定の結果、ネール温度以下で弱強
磁性的挙動を観測し、ネール温度のx依存性が定量的に変化することを確認した。Lithium niobate型
構造ではilmenite型構造で見られたようなスピングラス的挙動が観測されなかったことから、構造相
転移にともなって磁気構造も変化し、面間の相互作用のフラストレーションが解消された結果、長距
離磁気秩序が形成された可能性が考えられる。