抄録
Geのバルク結晶は、間接遷移型のバンドギャップ構造をとるため、発光素材としてのパフォーマンスは期待できない。ところが、Geをナノ構造化することで輝度の高い発光現象を見ることができる。発光素材としてのGeへの期待は、同族のシリコンよりもさらに狭いバルクバンドギャップにあり、ナノサイズ化に伴う発光波長範囲の可変と高輝度化が喫緊の課題である。ところが、現状ではサイズ-発光色の相関性が全く不明瞭である。本研究では、再現性良くGeナノ粒子を室温調製可能な方法を開発し、サイズと表面制御を通じて従来最高値の3倍を超える高い発光効率を有する青色蛍光体の調製に成功した。