抄録
新しい癌の治療法として磁性材料を発熱させ焼灼させる交流磁場焼灼療法が期待されている。その材料としては特にマグネタイトが研究されてきた。本研究ではこのマグネタイトの合成法として、化学的な逆共沈法と物理的なビーズミル粉砕双方を用いて超常磁性体であるナノ微粒子を作製し、磁場強度と周波数との関係を調べ, 発熱機構について検討した。
その結果、発熱能はほぼ同程度で、どちらの方法とも発熱能は磁場強度の2乗と周波数に比例することがわかった。また、500℃程度の低温焼成がきわめて効果的であり、発熱能が倍以上に増大した。