抄録
ゾル-ゲル・ディップコーティング法により、Mn2+含有/非含有Zn2GeO4透明薄膜を作製し、発光特性と光触媒性について評価した。
Mn2+含有Zn2GeO4薄膜を254nmの紫外光で励起することにより、530nmにピークを持つ緑色発光が観測された。この緑色発光は、Zn2GeO4中のZn2+を置換して四面体構造をとっているMn2+イオンの4T1→6A1遷移によるものだと考えられる。最も強い緑色発光内部量子効率は55%であった。またこれらの薄膜の355nm励起による蛍光寿命は約13msであった。
Mn2+非含有のZn2GeO4薄膜の光触媒性を調べた結果、紫外光照射下でのメチレンブルー水溶液の分解において高い活性を示し、その疑一次反応速度定数は0.086~0.097min-1であった。
Mn2+含有/非含有のZn2GeO4薄膜の光触媒性を比較した結果、Mn2+を含有させた場合、光触媒活性は低下することがわかった。