抄録
我々はハイドロキシアパタイト(HAp)セラミックスを電気的に分極処理を施すことにより、エレクレットを作製し、この誘起された表面電荷による電場は限定された空間でバイオマテリアルの結晶成長および生体物質の反応性や細胞や微生物の挙動に影響を及ぼすことを見出した。バイオミネラリゼーションでの知見を基にしたバイオマテリアル合成の戦略において表面電荷による局所電場と可溶性有機物の協調作用を理解することは重要である。そこでこれらの課題に対して有用な知見を得るために、分極カルサイト単結晶基板上での炭酸カルシウムの結晶成長を可溶性有機物としてポリアスパラギン酸(PAsp)を添加して調べた。